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2007年9月24日 (月)

めがね

何もない南の島のペンションに長期滞在した女性旅行客(小林聡美)と彼女を取り巻く三四名の人々の話です。この女性旅行客の視点がこの映画を観る観客の視点になります。女性旅行客が島に着いた早々ペンションのオーナーに「観光をしたい」と申し出るシーンがありますが、にべもなく「この島に観光する所なんてありませんよ」と言われます。つまり「この映画に見所なんてありませんよ」ということです。その言葉の通り登場人物の過去や秘密が解き明かされるわけでもなく、観客の興味を引く事件が起こるわけでもなく、ただ淡々と映画は進行していきます。この何もない平板な展開(日常)を受け入れること、そして他者を詮索するよりも自分を見つめること、それが即ちこの作品のキーワードである「たそがれる」と言うことなのだ、と観客は最後に気付かされます。この映画を観終わった後、単に「面白くなかった」と言わせない何かがあるのは、観客と作品の間にこのような一種の対話が成立しているからではないでしょうか?不思議な作品です。

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