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2007年9月24日 (月)

ファンタスティックフォー銀河の危機

今から三十年ほど前、小野耕世(自作品「キャロル」の編集をめぐりNHKを提訴した事でも有名)というアメコミの大家であり翻訳家がいて彼の一番のお気に入りが孤高のヒーロー、シルバーサーファー、でした。今回はそのシルバーサーファーの登場です。私個人としても思い入れのあるキャラだったので、イメージを壊されないことを願ってスクリーンに見入ってましたが、まずは及第点というところでしょう。映像的にはそこそこでしたが、ジェシカ・アルバのサービスショット満載で、まっ、いっか、みたいな感じです。スパイダーマンシリーズの成功で味をしめたソニーさんの二匹目の泥鰌になるのでしょうか?三作目を予感させるような終わり方でした。それにしてもラストの結婚式シーンでの着物の女性はどうにかなりませんかね?泣けてきました。

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めがね

何もない南の島のペンションに長期滞在した女性旅行客(小林聡美)と彼女を取り巻く三四名の人々の話です。この女性旅行客の視点がこの映画を観る観客の視点になります。女性旅行客が島に着いた早々ペンションのオーナーに「観光をしたい」と申し出るシーンがありますが、にべもなく「この島に観光する所なんてありませんよ」と言われます。つまり「この映画に見所なんてありませんよ」ということです。その言葉の通り登場人物の過去や秘密が解き明かされるわけでもなく、観客の興味を引く事件が起こるわけでもなく、ただ淡々と映画は進行していきます。この何もない平板な展開(日常)を受け入れること、そして他者を詮索するよりも自分を見つめること、それが即ちこの作品のキーワードである「たそがれる」と言うことなのだ、と観客は最後に気付かされます。この映画を観終わった後、単に「面白くなかった」と言わせない何かがあるのは、観客と作品の間にこのような一種の対話が成立しているからではないでしょうか?不思議な作品です。

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2007年9月 9日 (日)

HERO

話がテレビから続いていてテレビを観ていないと登場人物の人間関係とか背景がわからない様な映画はなるべく観ないようにしている私ですが、話題とあれば観ないわけにはいかない野次馬根性には勝てず、観て参りました。ところどころわからないシーンもありましたが観れました。テレビシリーズを観ていないので比較は出来ませんが、普通のドラマです。テレビでは映像化できない暴力シーンや濡れ場があるわけでも、過激な台詞や問題になりそうな場面もありませんでした。最後はキムタクと松たか子のキスシーンで終わり、ハッピーエンドでヨロピクみたいな・・・。映画が斜陽産業と言われた1970年台から80年代はテレビドラマの黄金期でもありました。山田太一、倉本聡、市川森一等々がいいシナリオをものし、深みのあるドラマを作り上げたからです。日本映画が面白くなり活気づきだしたのは個人的には「下妻物語」あたりからだと思いますが、このままテレビ局主導の映画制作パターンが支配的になれば、ドラマ作りは後方へ追いやられ、派手なキャストと大々的なキャンペーンで中身のない映画を売ろうとする方向へ傾いていくような気がします。「踊る大捜査線」で味をしめた局の皆様へ、老婆心ながら・・・。

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ジーニアスパーティー

日本を代表する七人のアニメクリエーターが制約無しで好きにやったらどんな作品が出来るか?というコンセプトで製作された七本のオムニバスです。つまんないものも面白いものもありました。思い出したのは今はなき「ガロ」というマンガ雑誌です。実験的なマンガ表現を追及したアングラ雑誌でしたが、いくつかの作品にはそのガロ的世界がスクリーンに反映されていたような気がして、興味深かったです。かつて一部のマニアが後ろめたさを感じながらのめりこんでいった危うい世界が、今や燦燦と陽の降り注ぐ世界を闊歩しているのが不気味でもあり、喜ばしくもあり、と複雑な心境でした。それとアニメにはちゃんとした声優さんを使いましょう。有名な役者であっても声優としては素人ということもありますからね。

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ベクシル2077日本鎖国

2077年鎖国中の日本に潜入した米国の特殊工作員が見たものは生けるロボットと化した日本民族だった、という訳でSFアニメです。「イノセンス」とか「アップルシード」なんかを観た人の目には映像的に真新しい場面もなく、ストーリーも平板で駄作としかうつらなかったのではないでしょうか。テレビゲームが原作でもないのに何かそれっぽい作りになっていてなんだったんでしょうか?私がアニメ映画を評価する基準は何よりも、映像に観たこともない世界があったか否か、なので見方が少々偏っているかもしれませんが、つまらなかった、というのが正直なところです。

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2007年9月 2日 (日)

怪談

三遊亭円朝作「真景累ケ淵」を原作とした時代劇、メガホンを取ったのは「リング」の中田監督、主演は尾上菊之介、人間国宝尾上菊五郎と藤純子の子供です。文句なしの和風美男で、ピッタリのはまり役なんだけど、ちょっと、ちょっとちょっとでした。あまりに上品過ぎて悪い男の感じがしない。一緒に観ていた女性の友人が「ちょっと恨まれすぎでかわいそう」と同情される始末。いい男は得だ。セットもロケも金かかってそうな感じで大作風なんですが、これもきれい過ぎて「世界の車窓から」的雰囲気が漂い、このおどろおどろしい因果応報、怨念の世界にはミスマッチでした。やっぱりこういう映画は売れない監督が自らの不遇を恨み、大部屋の役者達と安手のセットの中、心身ともにジメジメとした環境で作られるのがよろしいようです。昔はそんななにかが宿ってるような邦画が沢山あったんですがねえ。

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