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2007年4月29日 (日)

「バベル」

菊池凛子の名を一躍世に知らしめたこの映画、思春期の少年少女特有の不安定で危なっかしいハラハラさせる演技でやっぱり一番目を引きました。音のない世界、言葉で何かを伝えられないもどかしさを痛いほどの感情で叩きつけくる姿に”こんな女優さん日本にいたのね”と驚かされたり、”なんで今まで出てこれなかったの”と不思議に思ったりでした。その上ミニスカノーパンで陰毛は見せるは、素っ裸で男の前に立ちはだかったり(韻を踏んでみました)でまさに体当たりだ、こりゃ。作品の出来としてはそこそこで、観れる映画になっているのは編集の勝利でしょう。これを何本かのオムニバスにしたらつまんねぇ映画だったと思います。「クラッシュ」なんかもそうだったんですが、テーマや訴えてくるメッセージはよくわかるのに、脚本や編集でひねりすぎて、こねくり回しすぎて、ストレートにそれが伝わってこない、そんな映画のような気がします。まあ「カーズ」を観て涙を流しているおっちゃんの言うことですから、あんまり気にしないで下さい。とにかく菊池凛子の演技だけは一見の価値あり、これだけは言えます。

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「ハンニバルライジング」

人肉愛好家ハンニバル・レクター氏の生い立ちと復讐を描いた作品です。色々と興味深いエピソードがありました。先ず彼は東欧リトアニア(杉浦千畝が領事官としていた国)の伯爵家に生まれた事、日本人の伯爵夫人(クーデンホーフ伯爵夫人”みつこ”がモデル?)に剣術を習った経験のある事等々日本とのつながりが深い人だったんですね。そういえばパリで女性の人肉を食べた人も日本人でしたね。当時、その佐川氏に宅八郎さんがロングインタビューをして、佐川氏についての感想を聞かれた時、「人を食ったようなところのある人でした」と答えていたのには笑いました。洒落にならねえっつうの。無駄話はこれくらいにして、結論から言うと、若きハンニバルを見せる為のハンニバルファン向けの作品でした。それはそれでいいのかもしれませんが、もうちょっとひねりがあってもよかったのでは?戦争と言う狂気が産んだ、ある意味彼も戦争被害者の一人なんだ、というところに彼の存在を持っていこうとする意図にはあまり賛成できません。もっと常識を超えた説明不可能な存在、アンチヒーローであって欲しいと真のハンニバルファンは思っているのではないでしょうか。ハンニバルファンの一人としてそう思いました。

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2007年4月12日 (木)

「ブラッドダイアモンド」

レオ様の最新作という事で館内は女の子ばかりと思いきや、私の周りの席は親父ばかりでした。アフリカで密かに取引される”紛争ダイヤモンド”を巡って繰り広げられる二人の男達と女性ジャーナリストの物語で、国際的な貧富の格差や人種差別、人道問題等々かなりメッセージ性の強い作品でありながら、エンターテイメント性も程よくブレンドされた佳作でした。レオ様のヒゲ面が最近板についてきた感じがします。「ギャングオブニューヨーク」の頃はとってつけたようで違和感を感じましたが、ようやく様になってきました。それがかえって女性ファンを遠ざけたのなら、ちょっと痛いですね。いつまでも「タイタニック」の頃のレオ様を追っていたいのはファン心理としてはわかりますが・・・・。ジョニデのようにどんな役をやってもファンがついて来る、ってのは稀有なことなのでしょうか?

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2007年4月10日 (火)

「アルゼンチンババア」

吉本ばななの小説を映画化したものです。妻を病気で亡くした男がその日から失踪し、しばらくしてアルゼンチンババアと地元で呼ばれる老女と共に暮らしていた事が発覚、男の娘や周囲の人がてんやわんやした末、ハッピーエンドという落ちです。アルゼンチンババアの鈴木京香がちょっとババアに見えません。この役はもっと灰汁の強い人、例えば夏木マリあたりにやらせた方がよかった。役所広司の親父役もちょっとバイタリティありそで強すぎ。もっと弱々しい役者さんの方がよかったのではないでしょうか。大杉蓮あたりでどうすか?するとこの映画は毒蜘蛛のような老女に絡め取られた真面目な男の話という核がひとつ出来て、メリハリがついた内容になったと思います。

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2007年4月 8日 (日)

「大帝の剣」

痛快奇天烈冒険時代活劇とでも申しましょうか?昔テレビで観た「仮面の忍者赤影」を思い出しました。豊臣家の姫(長谷川京子)をかくまって真田の忍者と主人公、万源九郎(阿部寛)が大暴れ、それにオリハルコンの三種の神器を奪い合う地球外生物がからみあって派手なアクションを繰り広げるいう娯楽作品です。こういう映画は役者さんがケレン味たっぷりにやってくれると、否が応でも盛り上がるもんで、そのあたり堤監督の演出の冴えなのか頭を空っぽにして楽しむことが出来ました。そこそこ制作費をかけ、それなりの役者さん使って、こういう映画を撮れるようになった、ということを見ても活況の相を呈している日本映画界の現状が垣間見え、うれしくなりました。

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「あかね空」

直木賞を受賞した山本一力の時代小説の映画化です。内野聖陽が豆腐屋の主人とやくざの親分の一人二役、中谷美紀がその豆腐屋のおかみさん役で熱演です。そのせいかこの二人の演技バトルのような映画になってました。その中にあってかたき役の中村梅雀がかつての金子信雄を思わせる演技で味を添えてくれました。「電車男」「嫌われ松子の一生」と着実に大女優の階段を上りつつある中谷さんですが、今回も嫁入り前の可憐な娘時分と、そこからいきなり十八年経った時の年増のおかみさん役が別人のように演じられておりました。しかし、その十八年の間が脚本上何の説明もなく過ぎてしまったので、逆に彼女の演技に唐突な印象を受けました。脚本でこの十八年の空白をもう少しうまく埋める工夫があればもっと素直に彼女の演技を受け入れられたと思うのですが・・・。

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「ナイトミュージアム」

夜になると全ての展示物が動き出す自然史博物館の夜警になった男の話です。歴史の勉強にもなり、家族全員で楽しめる作品ということで、アメリカではいいセールスを記録しただろうな、って思いました。前にもこんな作品を観た様な気がしたと思ったら「ジュマンジー」でした。ロビン・ウィルアムスがルーズベルト大統領の蝋人形役で出ていたからかもしれませんが・・・。ところでミッキー・ルーニーとディック・バン・ダイクが老警備員役で出ていて驚きました。特にミッキー・ルーニー、まだ生きていたんですね。この映画を観たアメリカの観客の中には「オイオイなんでミッキーの蝋人形だけが昼でも動けるんだ」というジョークを飛ばしたオヤジがいたことでしょう。

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2007年4月 5日 (木)

「蟲師」

「アキラ」で有名な大友克洋が監督した「蟲師」。大友監督の中世観みたいなものを映像化した作品です。阿部謹也先生の御専門ですが「道々の輩」である蟲師ギンコの生い立ちと彼を取り巻く人々と”蟲”の話です。映像的には彼の思うような中世の雰囲気は出せていた、と思います。その分、ストーリーに起伏がなく、とらえどころのない作品と感じた方も多かった事でしょう。中世というのは”暗黒の世界”を思わせる魅力的なテーマで、思わず手が出てしまいますね。この作品を観ながら大友監督と同じ漫画家の花輪和一氏が描いた「月の光」を思い出しました。彼の描いた世界は平板な二次元上で展開されてはいるものの三次元化された映像の世界よりも”中世”を感じさせてくれます。それはそこに描かれている世界が”我々の生きる日常と紙一重の不条理の世界”だからです。そして、そのさじ加減が作品全体の出来を分けた、気がします。

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2007年4月 4日 (水)

「ハッピーフィート」

「ハッピーフィート」吹き替え版を観て来ました。ペンギンが主人公のミュージカルでアカデミー賞では大本命の「カーズ」を抑えて、アニメ部門を受賞したとの事でちょっと面白いかなと思って家族で行きました。結果、何故「カーズ」がこの作品に負けたかわからない、家族の意見は一致しました。別につまんなくはないですがね・・・。それともうひとつ気になったのが、予告編であんなに壮大な場面で長く熱唱されていた「マイウェイ」が全然違う場面でせこい使われ方をしていてガッカリしたことです。映画の予告編に”これはイメージ映像です”は通用しないと思うんですけど・・・。

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