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2006年6月 9日 (金)

映画?テレビ?

ここ何年か気になっていることがあるので、今日はその事について書きます。それはテレビ番組の映画化についてです。「踊る大捜査線」「サラリーマン金太郎」「海猿」「TRICK」等々視聴率を稼いだテレビ番組が映画化されるのが目に付きます。しかもテレビ版と殆んど同じ俳優陣で。製作側にとっては宣伝費をかけず、危険負担が少なく、そこそこの収益を見込める好企画なのかもしれませんが、一般の観客にとってはどうなんでしょうか。テレビを見ていた人にしかわからない作りになってませんでしょうか。又、テレビ的な内容を只映画館の大きなスクリーンに焼きなおしただけの出来になってませんでしょうか。元々映画とテレビとではその発達の過程に大きな差異があります。映画はサイレント(無声)映画からトーキーへと移行した結果、映像表現で物語を進行させ、観客に与える視覚的効果を考慮しながら作られるのが普通です。それに比してテレビはラジオドラマから発達し、放送中にCMを挟まなければならないという宿命から映像ではなく、印象的な言葉での表現が重視され、その言葉をつなぐ事によって物語を進行させるという形式になったのです。この両者の差を埋めるのはひとえにシナリオライターの腕にかかっているのですが、テレビ視聴者に媚びての事か、優れた映画的表現のある作品を観ることはほとんどありません。その原因がシナリオライターの力量にあるのなら、もっと勉強し、精進しなさいと言いたい。しかし、それが映画制作にたずさわる上層部の強い圧力によってやむなく行われているのなら、こう言いたい。危険負担無く安全に金を増やしたいなら国債でも買いな、と。映画は作る方も観る方もギャンブルなのです。

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