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2006年5月17日 (水)

「ナイロビの蜂」

「ナイロビの蜂」観て参りました。レイチェル.ワイズがアカデミー賞助演女優賞を受賞した作品ですが、それが逆に仇になり作品全体はイマイチでした。話の筋は突然事故死した妻の死に方に疑問を抱いた夫が生前の妻の行状を調べる過程で事件に巻き込まれていく、というものです。レイチェル.ワイズの妻役は熱演でさすがです。勝気で、正義感に溢れた人権活動家そのものです。その分夫役のレイフ.ファインズの役どころが弱い。庭いじりの好きな、紳士の外交官でひ弱です。その結果、作品が奔放な妻の行動に振り回された挙句、ついには命を落とした哀れな男の話になってしまったような気がします。シナリオに夫婦の結びつきをもっと強烈に訴えるエピソードを入れた方が良かったのではないでしょうか。かつて黒澤明が山本周五郎の原作「日々平安」を小林桂樹主演で撮ろうとしたところ東宝の製作サイドから三船敏郎を起用するよう要請があり、それに応じてシナリオを大幅に変更し、完成したのが「椿三十郎」である、という話を聞いた事があります。夫役をハリソン.フォードにし、原作に筆を加えたシナリオで撮ったら、また違った味の「ナイロビの蜂」が出来たかもしれませんね。それとアフリカの描き方が常にエイズ、貧困、政情不安、騒乱という画一化されたものになっているのも気になりました。

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