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2006年5月28日 (日)

「迷い婚」

「迷い婚」観て参りました。ハイまたお会いしました。坊ちゃん「卒業」のベン覚えてますか?そうそうあの親子丼のベンですねえ。この映画はそのベンがエレーンと別れ、その後、エレーンが他の男との間につくった娘とやっちゃう話なんですねえ。まあ~怖いですねえ(ここまで淀長節)。さて冗談はこれくらいにして感想です。私はこの映画をマイク.ニコルズ(「卒業」の監督)へのオマージュとして見ました。軽いコメディタッチで面白かったです。全然客が入ってなくて意外でした。最近の若い人はデートに映画なんか観ないんですかね。まあマリッジブルーの話なんでアベックは観ない方がいいかもね。主演のサラはブラピと別れたジェニファー.アニストン、ベンのモデルになった男ボーにケビン.コスナー。ミセスロビンソンのモデルになった婦人、サラの祖母にシャーリー.マクレーン(お懐かしい)という豪華俳優陣。ロブ.ライナー監督のもたつき気味の演出を軽快にこなしてました。ロブ.ライナーは未だに「恋人たちの予感」が代表作というのがちょっと寂しいですね。蛇足ですがシャーリー.マクレーンの顔が朝丘雪路そっくりに見えました。

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「夢駆ける馬ドリーマー」

「夢駆ける馬ドリーマー」観て参りました。日本ダービー開催日に合わせてというわけではありませんが、競走馬の話です。主人公は倒産寸前の競走馬生産者(カート.ラッセル)とその娘(ダコタ.ファニング)。彼らを含めお仲間は今様に言うと皆「負け組」。メキシコ移民の厩舎員、落馬事故がトラウマとなりレース出れない騎手、主人公の家庭は崩壊寸前、そこに脚を骨折した競走馬ソーニャドール(ドリーマー)登場で役者は揃った。あとは苦難を乗り越え、ハッピーエンドで家庭円満と、かつて何度となく観てきたこのパターンの映画。おととしのアカデミー賞にノミネートされた「シービスケット」もこんな話だったっけ。でも、観てしまう、引き込まれてしまうのは何故。答、それは私も負け犬の一員だから。もちろん今日の日本ダービーも負けました。ゲンを担いでドリームパスポート、映画にも出てくるフサイチペガサスと同じ馬主(関口房郎=元㈱メイテック会長)のフサイチジャンクを頭に買って全部パー。夢なんて所詮映画の中でしか花開かぬものなのでしょうか?グッスン

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「ジャケット」

「ジャケット」観て参りました。話は医療刑務所で服役中の主人公が拘束服(ジャケット)を着る事により1992年と2007年をタイムワープする、という筋です。主人公ジャック(エイドリアン.ブロディ)は27歳の時湾岸戦争で死にかけた男、身よりも無い、プアホワイトという設定で弱者の代表選手のように描かれてます。相手役のジャッキー(キーラ.ナイトレイ)も似たような境遇で、そこに愛が生まれます。2007年に行き、過去を知ったジャックが1992年に戻り、未来を予言するような言動を起こし、周囲の人間を救い、時には罵倒するのですが、肝心の「何故ジャケットを着ると2007年に行けるのか」が最後まではっきりせず、ホラーなのか、ヒューマンドラマなのかよくわかりませんでした。その中途半端なところが新感覚といわれればそれまでなんですが、いまいちスッキリしない残尿感のある映画でした。話は脇道に逸れますが、同じ時間帯に「ポセイドン」の先行ロードショーをやってました。「オーメン」も近々公開とか、数年前からハリウッド映画は製作企画のネタが尽きてしまって、往年の名作や日本製ホラー映画のリメイクやら、ブロードウェイミュージカルの映画化だのがやたら目に付くようになりました。見た目の派手さとはうらはらにハリウッドは停滞期から衰退期に入っているのではと気になる今日この頃です。

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「ダヴィンチコード」

「ダヴィンチコード」観て参りました。まだ観ていない皆様の為、話の筋は省略。結論、原作同様よく出来た作品でした。ただキリスト教徒でない大多数の日本人にとってはどうなんでしょうか。キリストのスキャンダルをあばくのがテーマのようなこの映画の見方にはキリスト教を信仰する者とそうでない者との間にかなりの温度差があるように思います。未だにダーウィンの進化論を否定するような人々と先進国中最も宗教に関心の薄い国日本(ちなみにフランスが同率最下位)に住む私達とはこの作品に対する思い入れ、興味の深さは全く異なるでしょう。一度キリスト教徒の方に聞いてみたいところです。あまりに荒唐無稽で話にならないと一笑に付されるでしょうか?ロン.ハワードの演出が冴えてました。血を暗示させるあのシーンとか・・・・色々、あとは劇場でご覧下さい。

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2006年5月27日 (土)

「明日の記憶」

「明日の記憶」観て参りました。約200程の席が全て埋まってました。しかも殆んどが私より年上、50代から60代の皆さんでした。こんなに平均年齢の高い観客の中で映画を観たのは初めてです。若年性アルツハイマー症にかかった佐伯(渡辺謙)とその妻(樋口可南子)の夫婦愛と周囲の人々の話です。渡辺謙さんの顔を見ると、つい先日釈放されたハーレム生活の占い師を思い出してしまいますが、熱演でした。妻役の樋口さんも良かったです。記憶がなくなる話は「博士の愛した数式」が記憶に新しいですが、「博士の・・」よりも生々しい生活感がでていて、色々考えさせられました。基本的に夫婦愛の話ですが、隣の席の60代と思しき御婦人の二人組みはしきりに「実の娘がいるのにね。お嫁さんだけじゃなく、もっと家族で面倒見なきゃね」って言ってました。

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2006年5月19日 (金)

バイバイ新宿ピカデリー

新宿ピカデリーが5月14日閉館になりました。通い続けた映画館がなくなるのは寂しいものです。新宿ピカデリーは一つのビルにピカデリー1.2.3.三つの映画館が入っていて小型のシネコンみたいな所でした。新宿伊勢丹のデパ地下でカツサンドを買い込んで一日中このピカデリー1.2.3.で過ごすのが週末の楽しみだった時期もありました。封切り初日の初回終了後には館外に「ぴあ」の編集者がいて、何度か呼び止められました。問われるまま作品の評価をし、写真を撮られたりしましたが、掲載されたのを見たことがありません。郊外型の大きなシネコンに押されて段々と都心に映画館が減っていくのは仕方の無い事なのでしょうね。終電に間に合わずオールナイト上映の映画を寝ながら観ていた昔が無性に懐かしく思い出されました。ありがとう、そしてバイバイ新宿ピカデリー。

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「ピンクパンサー」

「ピンクパンサー」観て参りました。ピーター.セラーズの後継者としてスティーブ.マーチンが選ばれました。グッチョイス。でもって助手のジャン.レノと共にピンク.パンサーを追ってという展開でドタバタ、ドタバタと笑かしてくれます。クルーゾー警部のキャラは殆んど変わりありません。以前より下ネタ、人種ネタが多めです。特にフランス人の発音に関するネタはイケてます。フランスに対する憧憬の裏返しなのか、この手のギャグはアメリカ人の好むところなのでしょうか?飽きる程クドくやってました。それと昔のクルーゾー警部(ピーセラ先生)が助手のケイトウに向かって言っていた「隙があったらいつでも殴りかかってきなさい」というのを逆の役回りで助手のポントン(ジャン.レノ)にやってます。その結果ポントンにことごとくかわされ、殴られまくるという楽屋落ちのような場面もあり、昔のファンの気持ちを和ませてくれました。リニューアルしたクルーゾー警部に乾杯。次回作が出来る事を期待してます。

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2006年5月18日 (木)

「陽気なギャングが地球を回す」

「陽気なギャングが地球を回す」観て参りました。ピカレスクロマンというジャンルにおいて日本映画は全くといってもいい程不毛でしたが、今回も又駄目でした。生真面目な日本人にとって犯罪者をロマンチックに描く事は無理なのでしょうか?主演のギャングの一人である佐藤浩一が事あるごとに「ロマンは?ロマンは?」と尋ねるセリフが空しくおかしくもありました。登場人物が軽く薄っぺらで全く生活観がなく、背負っている人生がまるで見えてこなかったんだから、劇的効果を期待すべくもありませんが、若い人受けするルックスの役者さん達がドレスアップして銀行強盗に及ぶシーンは、彼らがただのアホにしか見えなくてかわいそうでした。ピカレスクロマンとはどの様な映画なのか?参考までに観てみたいという方にはスティーブ.マックイーン、フェイ.ダナウェイ主演の「華麗なる賭け」がお薦めです。ご覧下さい。

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2006年5月17日 (水)

「ナイロビの蜂」

「ナイロビの蜂」観て参りました。レイチェル.ワイズがアカデミー賞助演女優賞を受賞した作品ですが、それが逆に仇になり作品全体はイマイチでした。話の筋は突然事故死した妻の死に方に疑問を抱いた夫が生前の妻の行状を調べる過程で事件に巻き込まれていく、というものです。レイチェル.ワイズの妻役は熱演でさすがです。勝気で、正義感に溢れた人権活動家そのものです。その分夫役のレイフ.ファインズの役どころが弱い。庭いじりの好きな、紳士の外交官でひ弱です。その結果、作品が奔放な妻の行動に振り回された挙句、ついには命を落とした哀れな男の話になってしまったような気がします。シナリオに夫婦の結びつきをもっと強烈に訴えるエピソードを入れた方が良かったのではないでしょうか。かつて黒澤明が山本周五郎の原作「日々平安」を小林桂樹主演で撮ろうとしたところ東宝の製作サイドから三船敏郎を起用するよう要請があり、それに応じてシナリオを大幅に変更し、完成したのが「椿三十郎」である、という話を聞いた事があります。夫役をハリソン.フォードにし、原作に筆を加えたシナリオで撮ったら、また違った味の「ナイロビの蜂」が出来たかもしれませんね。それとアフリカの描き方が常にエイズ、貧困、政情不安、騒乱という画一化されたものになっているのも気になりました。

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「アンジェラ」

「アンジェラ」観て参りました。モノクロの画面がパリの風景を引き立てていて絵のようでした。話は駄目男が一人の女との出会いで、いっちょ前になっていくという筋で、その過程で男の恋愛感情が様々な形を見せるところが味噌です。それは時には自己愛の変形であったり、支配欲であったり、依存心であったりして、それを男は愛と勘違いしているのを女はさめた目で見ているという、よく内田春菊のマンガに出てくるような男女関係が描かれています。今までのリュック.ベッソンの作品と違い派手なアクションはありません。フランスには「一時間しあわせでいたいなら床屋に行きなさい。一日しあわせでいたいなら芝居を見にいきなさい。一月しあわせでいたいなら恋人を作りなさい。一年しあわせでいたいなら結婚をしなさい。十年しあわせでいたいなら家を買いなさい。一生しあわせでいたいなら嘘をつくのをやめなさい」という諺があるそうですが、最後はその諺に象徴されているような結末で終わります。主演のジャメル.ドゥブーズが少年隊の植草君に髭を付け汚くしたような顔をしていました。

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2006年5月13日 (土)

「トム.ヤム.クン」

「トム.ヤム.クン」観て参りました。シド.フィールドの「シナリオライターのワークブック」という著書によれば、2時間という長さの作品であれば、大まかに3つに分け、始めの30分は状況設定、中ほどの1時間は葛藤、最後の30分は解決という内容にしなさい、と書かれています。始めの30分の状況設定では登場人物の性格、置かれた立場を明確にすることが求められますが、この作品の主人公カーム(トニー.ジャー)のキャラは開始後5分で明確になります。それは「象が好き」(こまわり君かお前は?)です。あとはもう奪われた象を追っての雨あられのアクションまたアクション。呆れるほどすっごいです。かつてのカンフーアクションスター達を漢字一文字で表せばブルース.リーは哀、ジャッキー.チェンは楽、ジェット.リーは清、そしてトニー.ジャーは純、ではないでしょうか。この濃い目の織田裕二みたいな顔には象が大好きな素朴な若者のキャラがぴったり。思わず、カーム頑張れ、そう叫びたくなるような仕上がりになってました。蛇足ですがタイ人の警官マークをやってた役者さんは故桂枝雀師匠にそっくりでした。

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2006年5月 6日 (土)

回想遊川和彦

遊川さん、遅ればせながら向田邦子賞受賞(『女王の教室』に対し)おめでとうございます。まさかあなたがこんな立派なシナリオライターになられようとは思いもよりませんでした。失礼を承知で言わせてもらいます。26年前、アシスタントディレクター当時のあなたを知るエキストラの人間であれば止むを得ない事です。あの本番5秒前を告げる時のお決まりのギャグ「きゅうり、にんじん、ゴボウ前」やディレクターからOKが出た際に言う「オッケー、オッケー、風呂オッケー」や「成功、成功、大成功、象のセックス、大成功」等々が今も頭から離れません。緑山スタジオでの仕事が早目に終わった時に何度か鶴川の駅前で飲みましたね。飲んだ時は必ず割り勘でしたね。真面目な話が苦手なのか、ただ単に出来なかったのか、話題はエロ話が中心だったようにおぼえています。例えば「エキストラの通行人は英語に訳すと歩く人だからウォークマンだな、てことは女の通行人はウォークマン○かぁ(独り大笑い)」こんな話を飲みながら延々と続けましたっけ。後日、「あの人(遊川さん)東大出てるらしいよ」という噂を聞き、マジか、と思ったものです。何はともあれアシスタントディレクターを辞められてからはシナリオライターとして順風満帆のご様子、あとはNHK大河ドラマの依頼を待つだけですね。更なるご活躍をお祈り申し上げます。PS貸したあのビデオもう持ってませんよね。

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2006年5月 4日 (木)

前略越智道雄様

前略越智道雄様いかがお過ごしでしょうか?初めてお会いしたときから二十年を経た今、やっと先生のおっしゃっていた、アメリカ映画を観る時のキーワードは民族である、という言葉の意味が理解できるようになりました。あの時先生にカシオのポータブルワープロ(死語)の操作説明をしながら、何度著作の件でお話を伺おうとした事か、しかし出来ませんでした。当時の私は「たとえ他民族国家アメリカで作られた映画であっても、人間がその根底に持つ感情のレベルで同じである限りアメリカ以外の国で作られた映画と観賞方法を異にするものではない」という思いがあったからです。しかし、もし私が持論を今日まで貫き通していたなら過日「プロデューサーズ」を観た際、半分も笑えなかったことでしょう。何故、ゲイの演出家の家に住み込んでいたインディアンがチェロキー族なのか、そんな些細な事柄にも最近では反応する様になりました。私にとって全く未知であった、民族を通しての映画の見方をお示し下さり誠に有難うございます。奥様にもよろしくお伝えください。教えていただいたキト酸しばらく飲んでおりました。

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2006年5月 3日 (水)

シネマディクト池波正太郎先生を偲んで

本日5月3日は池波正太郎先生の命日(平成2年)です。念の為申しますと先生は「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人藤枝梅安」の3大シリーズをはじめ、数多くの名作時代小説を残された小説家です。先生はまた自他ともに認める映画狂(シネマディクト)でもありました。ここ何年か年間100回以上映画館に足を運ぶようになった私ですが、先生を想うと自らシネマディクトと名乗る事を憚られます。私がこのようなブログを始めたのは先生の「銀座日記」を読んだ所為です。先日、先生の「映画を見ると得をする」を久しぶりに本棚から取り出し、頁をめくりました。なぜ映画を観るのか、それについて先生は「人間と言うのは自分以外の人生、自分が知らない人生、を見る為に映画を見るのだ」そう書かれておりました。至言だと思います。駄作だと思うとつい席を立ちたくなる私ですが、そんな時には、「どんなにつまらない映画、くだらない映画にもどこか一つは必ず面白いところがあるはずだ」との思いを胸にスクリーンを見続けた先生の事を思い出すようにします。

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2006年5月 1日 (月)

「キャッチアウェーブ」

「キャッチアウェーブ」観て参りました。十六歳の男三人組がひょんなことから夏休みの間ずっと湘南のサーフショップで住み込みのバイトをすることになって、ショップのオーナーからサーフィンを教わりながらの、恋もしながらの、恋敵とのサーフィン対決ありーので少年は夏の終わりに一歩大人に近づいたのでした、っちゅー青春映画のいつもの安心して観られるパターンでしたが、製作が外資系ワーナーブラザースジャパン、恋人は在日米軍横須賀基地の軍人の娘(母親が日本人)その娘の元彼らしき少年も同じくハーフ、でもって横須賀基地で上映される映画に招待された主人公の少年がハーフの元彼にイチャモンをつけられるところのセリフが凄い「俺達が日本を守ってやってんだ。でけえ面すんな」だって。まあこの程度のことは口には出さねど、米国軍人やその家族の誰もが思っている事なのかもね。でも、それを日米のハーフの少年(見た目日本人)に言わせたところが屈折してるなあ。その取り巻きに外人ポイのがいるのにさ。在日米軍のグアム移転費用負担問題なんかも頭をよぎって、さわやかな青春映画の一コマの中にヤなもん見ちゃったって感じでした。

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「小さき勇者たちガメラ」

「小さき勇者たちガメラ」観て参りました。GWを当て込んでか、この時期には伝統的にマンガ映画、怪獣映画がよく公開されます。小さなお子さんは一人では映画館に行けませんから、必然的に親が同行することになります。つまり一石二鳥なわけで、これを業界用語で「ジャリすくい」というそうです。余談はこれくらいにして感想ですが、やられた、って感じです。泣いてしまいました。「どんな名優も犬と子供にゃかなわない」これも業界ではよく言われることですが、今回は主演の子供のみならず、怪獣のガメラまで未成年(未成獣?)という念の入れようで禁じ手使いまくりです。もし、これから子供と一緒に観に行く予定のあるお父さんがいたら子供に泣きっ面見られないようにハンカチは必ず持って行ってね。

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